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脳が体や心の司令塔であることは、言うまでもありません。私たちの体調や感情の変化を常にモニタリングし、適切な指令を出すためには、脳内に張り巡らされたネットワークが不可欠です。そして、その情報伝達を担っているのが「脳内神経伝達物質」です。

脳内には100種類以上の神経伝達物質が存在するといわれていますが、その中でも特に重要とされるのが、ドーパミン、ノルアドレナリン、そしてセロトニンの「三大神経伝達物質」です。本来、これらは互いにバランスを取りながら働くことが理想ですが、現代社会において特に弱りやすいのがセロトニン神経です。

その背景の一つが、生活リズムの変化です。かつては近所のスーパーが夜8時に閉店するのが当たり前でしたが、今では24時間営業のコンビニやスーパーが増え、昼夜逆転の生活も珍しくなくなりました。このような環境は、セロトニンの働きを低下させる要因となります。

さらに、運動機会の減少も影響しています。交通機関の発達やリモートワークの普及、物流の進化によって、日常生活の中で体を動かす機会は確実に減っています。加えて、コミュニケーションの形も変化しました。以前は手紙や電話で直接声を交わしていたものが、今ではLINEやメールで簡単に済ませることが増えています。

つまり、私たちが享受している「便利さ」は、知らず知らずのうちにセロトニン神経の働きを弱める要因にもなっているのです。

また、現代は「ストレス社会」とも言われています。もちろん昔からストレスは存在していましたが、社会の発展とともにその質は大きく変化しました。ハラスメント問題や情報過多による混乱など、長期的かつ継続的なストレスが増え、心や体がその処理に追いつかない状態が生まれています。このような慢性的なストレス環境では、セロトニン神経は十分に機能しにくくなります。

では、セロトニン神経が弱るとどうなるのでしょうか。

セロトニン神経は脳全体に広く軸索を伸ばし、覚醒レベルの維持や感情の安定、自律神経の調整、さらには姿勢筋(抗重力筋)や運動ニューロンの働きを促す役割、痛みの抑制など、非常に多岐にわたる機能を担っています。

そのため、セロトニンの働きが低下すると、
ぼーっとする、イライラする、気分が落ち込む、寝つきが悪いといった精神面の変化だけでなく、姿勢が崩れる、表情が乏しくなる、頭痛が起こるなど、身体的な変化としても現れてきます。

このように、セロトニンは「心」と「体」の両方に深く関わる重要な存在です。

では、こうした状態を防ぐために、あるいはすでに崩れてしまったバランスを元に戻すためには、便利な社会と共存しつつ、どのようなことができるのでしょうか。

その具体的な方法については、次のブログで詳しくお伝えしていきます。

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