Oral Healthcare Labo

オーラルヘルスケアラボ

「治る」を支える医療をめざして

「食べること」「しゃべること」は、
人の喜びや幸せに欠かせないものです。

一方で、口の中の痛みや不快感が
大きなストレスになることは言うまでもありません。

歯科医師になって30年。
「患者さんの幸せとは何か」――
その問いを胸に、日々患者さんと向き合ってきました。

葛藤の連続ではありますが、これまでの出会いや学びが、
私の進む道を照らしてくれています。日々の診療の中で、
患者さん一人ひとりの表情や反応を見ていると、
その時々の自分自身の思いや考えもまた影響を受け、
新たな視点を持つようになりました。

その学びのきっかけとなったのが、アロマセラピーでした。
当初は、来院される患者さんの緊張を香りで和らげることが目的でしたが、
その効果が予想以上のものであることに気づきました。
香りが持つリラックス効果や、
記憶と結びつく不思議な力に魅了され、
患者さんにとっての安らぎを追求する中で、
自分の仕事の幅を広げていくことができました。

しかし、香りの影響が体や心の状態によって異なると知ったとき、
大切なことに気づいたのです。
私の仕事は「患者さんの病気を治すこと」ではなく、
「患者さんの病気が治るようにお手伝いすること」である、と。
その理念こそが、患者さんとの信頼関係を築く上での基盤となり、
患者さんの心に寄り添うことの重要性を教えてくれました。

患者さんの回復しようとする力を信じること。
そのためには、口の中だけを見ていてはいけないと強く思います。
口の症状は、心や体からのSOSでもあります。
これは私が多くの患者さんを通じて実感したことであり、
その経験から得た知見は、他の診療科とも共通する部分があります。

こうした気づきは、筋骨格系を中心とした解剖学の学び直し、
そして脳生理学という新たな学びへとつながっていきました。
口は脳と密接につながっています。
三叉神経や顔面神経を通じて影響を受け、また脳へも影響を与える――
切っても切れない関係です。学びを深める中で、学生時代に学んだ内容でさえ新鮮に感じられ、
それは「患者さんの幸せ」へと導く道標のように思えました。

患者さんの脳が持つ「治ろうとする力」を信じる。
そう考えられるようになったのは、
脳生理学の権威である医学博士・有田秀穂先生のおかげです。
有田先生の講義や指導は、私にとっての大きな転機となりました。
その知識と経験を通じて、私自身の治療方針を見直し、
患者さんに寄り添ったアプローチを見出すことができたのです。

さらにもう一人、歯科の分野で私を支えてくださった恩師がいます。
ドライマウス研究の第一人者である歯学博士・斎藤一郎先生です。
お二人は専門分野こそ異なりますが、
医療従事者だけでなく一般の方々にも知識を広く伝え、
常に現場で患者さんと向き合い続けてこられました。
その姿勢には、私自身も大変刺激を受け、
先生方のような医療従事者でありたいと強く思っています。

歯科医療に携わる発信者として、
日進月歩の医学に学び続ける姿勢を忘れず、
多くの情報を精査し、正しい情報を届けること。
この恩師の姿勢こそが、私の活動の基盤となっています。
日々進化する医療の中で、常に最新の情報と技術を持って、
患者さんに最善の治療を提供できるよう努めていきたいと思います。


左:有田秀穂先生、右:斎藤一郎先生

一臨床医ではありますが、
少しでも皆さまのお役に立てるよう、これからも活動を続けてまいります。
この旅はまだまだ続きますが、患者さんと共に成長し、
その幸せに貢献できるこの職業に感謝しながら、未来を見つめていきます。

オーラルヘルスケアラボ代表 田邉美樹子

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